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陛下、お濠の水が!!

 

まだ まだ汚れています!!

 

 

「陛下、お濠の水が汚染されています」と、弁護士で文筆家でもある清水政彦氏が

文藝春秋2008年12月号に寄稿し、お濠の水質悪化に驚かされたのは記憶に新しい。

 

 

そして、氏より直接連絡があり、お濠の水質浄化活動を協力して行うことになった。

当時、2016年オリンピック招致を東京都が目指していたため、それを契機に水質浄

化活動を始めようと企画し、有名芸能プロダクションから協力を申入れられ大いに

盛り上がった。多くの有志や文化人に参加を促し、同じ作家である当時石原慎太郎

知事を動かし、活動開始することとし、オリンピック招致決定が待たれた。

しかし、残念ながら開催地はブラジルリオに決定し、東京都は落選してしまった。

そして、「皇居お濠水質浄化作戦」は活動主旨・原資が得られなくなったためか、

沈静化してしまった。当時のことを思うと、オリンピックとは関係なく活動を開始

するべきだったと反省しているが、これも我が身の未熟と実行力の無さと思う。

 


あれから10年、東京都は次のオリンピック誘致に成功し、2年後の2020年には

東京オリンピック開催が決定している。前年の2019年には東京を中心にラグビー

ワールドカップも開催される。しかし、日本の首都東京、そして日本の象徴である

天皇の住まわれる皇居のお濠の水質は、一向に改善されていない。

 

 

皇居外苑濠は、ご存じ徳川幕府居城として江戸城築城時に自然地形を活かし築かれ、

水源として江戸へ飲料水供給するため築かれた玉川上水の余水が供給されていた。

玉川上水は、江戸の6上水の一つで、多摩羽村から四谷までの全長43kmが1653年

に築かれた。今でも一部は、東京都水道局の現役の水道施設として活用されている。

飲料水・産業用水確保や排水処理等のインフラ整備が都市発展の基盤であり、徳川

幕府と江戸市中の発展は、これら上水施設により成されていたわけだ。

 


明治以降、都市近代化によりお濠は埋立や分断が行われても、玉川上水から水補給

は継続されていた。しかし、昭和45年に西新宿にあった淀橋浄水場が廃止されると

玉川上水からの水供給は停止されてしまった。結果、皇居お濠は都心の閉鎖性水域

となり、蒸発や漏水等による減水を補う水供給は、降雨に頼らざるをえなくなった。

 


そして問題は、都市整備による下水道建設で、当時いち早く皇居周辺に建設された

のは合流式下水道管路だった。合流式下水道は、し尿や生活廃水と雨水を同じ管路

で下水処理場に排出するため、下水管1本を設置すればよく工期短縮や工事費低減

となり、初期の都市下水には多くみられた方式だ。しかし、台風や豪雨時の大量水

の排出には対応できない欠点がある。その欠点を補うのが「吐け口」で、大雨の際

には呑み込めない水量を自然水域に排出するものだ。皇居周辺の合流式下水道吐け

口はお濠にあり、大雨の際にはお濠に汚水が流入する仕組みとなっている。

 

 

つまり、丸の内・大手町のビジネス街や、霞ヶ関・永田町の官庁街から排出される

下水が日常的に皇居お濠に流入しているのだ。大雨の日に、多くのビジネスマンや

官僚がトイレで排出した小便・大便は、そのままお濠に流出しているわけだ。近年、

頻繁に発生するゲリラ豪雨の際には、大量の汚染物質が雨水と共に流入している。

 

 

皇居外苑は公園としても親しまれ、四季折々の楽しみがあり、桜の季節には千鳥ヶ

淵には多くの花見客が集う。その桜の名所千鳥ヶ淵南端にも吐け口があり、容易に

歩道から見ることができる。

 

 

皇居お濠は、内部は天皇のお住まいであることから宮内庁、お濠は環境省、外部の

下水道は東京都と所掌が異なることに特異性がある。もちろん、各々の機関が何も

やっていないわけではない。東京都は下水道整備を行い吐け口よりの汚水流入防止

をしている。直接お濠を所掌する環境省は「皇居外苑濠水質改善計画」を立案し、

対策を行っているが、その成果は現状を見ても確認できない。省庁には水質改善の

知見や技術があるわけではないため、官庁意向にそう御用学者と自社設備を売りた

いだけのプラント企業が考える対策では浄化効果を期待するほうが間違いだろう。

 

 

実施されている対策内容は直接的水質対策として、懸濁物(SS)除去のため凝集分離

ろ過設備を稼働させ、大手町民間ビル地下にも浄化設備が設置されているようだが、

お濠全水量を処理することはできない。大量発生する藻類アオコを単純に物理的に

除去することは場当たり的で根本的解決ではない。大切なのは、アオコを大量発生

させないことで、そのために何をするかだ。

 


お濠の水底に堆積した底泥(ヘドロ)対策として”カイボリ”をしている。底泥には、

有機物や栄養塩が含まれ、嫌気状態となれば硫化水素やアンモニア等が生成され、

溶出すると水質悪化の原因物質となる。そのため、底泥除去・改質は水質改善に効

果的だが、その方法が”カイボリ”では面白いが、水質改善効果は少ない。

 

 

カイボリは、水を抜いて水底を大気に露出させ日干しにするものだが、底泥除去を

ともなわないカイボリは、大きな水質改善効果はない。最近TV東京バラエティー

で「池の水を全部抜く大作戦」が流行っていて、東京都等も便乗している。しかし、

カイボリは水入れ替えによる一時的浄化や外来魚駆除には効果的だが、在来種等生

態系へ悪影響もあり、長期的水質浄化には大きな期待をしない方が賢明だ。やはり、

安定した水質浄化効果を求める底泥対策は底泥浚渫除去するしかない。

 

 

2020年東京オリンピック開催が決定し、海外より東京を訪れる観光客が益々多く

なる。観光を経済活性化の国策とするならば、日本観光の大きな目玉となるであろ

う皇居お濠の水が汚れていては、美しい日本とは言いがたいものとなってしまう。

東京駅から真っ直ぐに伸びる美しく整備された道を行けば、日本のシンボル皇居が

現れ、取り囲むお濠の水がアオコ繁茂する汚濁水ではなく、美しい清透水ならば、

訪れる観光客も改めて日本の素晴らしさを感じることだろう。

 


皇居周辺には、国内外からの観光客だけでなく、外周を走るランナー、大手町や丸

の内のオフィスで働く日本を代表する企業の面々、政治家や官僚がいるはずだ。

ぜひ、自己、自社利益を追求するだけでなく、国や行政、他者に頼るのではなく、

自ら日本のシンボルである皇居お濠の水をキレイにしようと立ち上がって欲しい。

そして、皇居お濠の水質浄化活動から始めて、日本全ての水域を浄化させたいもの。

 


来年は平成天皇が退位し、めでたく皇太子が新天皇に即位することが決定している。

新元号とともに明るい未来となるよう、先ずは皇居の水質改善を成したいものです。

一緒に水質浄化活動を始めましょう!!

 

 水質浄化大作戦   日本水キレイプロジェクト

 

うぉータン | 水辺散歩 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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