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中国水質汚染

飲めるない!!


中国の水質汚染は、様々な報道で伝えられてはいるが、その実態は闇の中だ。
一般的に見聞きするのは、アオコ等藻類発生により汚染された河川や湖沼で、
この発生原因は、有機物・窒素・リン等の栄養塩類の増加によるものだ。
富栄養化は、程度の差こそあれ世界各国において発生している。日本でも解
決された訳ではなく、東京の皇居のお堀を見ればよく判る。
ただ、中国では発生程度が尋常ではなく、ペンキのように水域を覆い水を腐
敗させ、水資源として用をなさなくなることだ。中国政府も12次5カ年計
画にて、原因物質であるアンモニア態窒素やCODの削減を目標に掲げ対策
を図っている。



緊急課題は、内陸部の化学工場排水や鉱山排水などが未処理のまま、河川や
湖沼に放流されていることだろう。流出した有害化学物質や有害金属は河川
湖沼を汚染し、やがては飲料水あるいは、農作物や水産物に吸収され人体へ
の健康被害を発生させる。



昨年、浙江省で笑うに笑えない事件が起こった。温州市蒼南県の川に14才の
少女が入水自殺を図り、51歳の警察官が勇敢に川に飛び込み少女を救ったが
その後、病院に運ばれた警官が自殺未遂の少女よりも重体に陥ってしまった。
警官が危篤状態に陥った理由は、川の水を飲んだためで、診察した医師は、
消化器系から呼吸器系に至る問題で一時は死に至る可能性もあったと公表。
「汚水游泳後遺症」という信じ難い病名が告げられて人々の失笑を買った。



中国では「ガン村」と言われるガン発生率の極めて高い集落が、内陸部の各地
に数百カ所存在し、中国政府もその存在を認めている。ガンだけではなく異常
な死亡率の高さ、奇形児の誕生など多くの健康被害発生が公表されている。
さらに、水質汚染は土壌汚染とも直結する問題であり、農作物にも水産物にも
大きな影響がおよぶ。鉱山排水に含まれたカドミウムや鉛は、カドミ汚染米を
流通させ河の魚が大量に死に、それを人が口にすれば健康被害を引き起こす。
水源地の河川、湖沼、地下水が汚染され、安全で衛生的な飲める水がない。


 
中国環境保護部は3月始め水質汚染対策として2兆元(約34兆円)の予算措
置を行うと発表した。先に発表された大気汚染対策行動計画での投資額が1兆
7千億元だから、水質汚染対策に対する本気度が感じられその深刻さがわかる。
さらに、全人代が開かれていた8日には、水質汚染と大気汚染対策に、来年ま
での12次5カ年計画の5年間で5兆元(約85兆円)を投資すると発表した。
水利部では今後10年間で5.3兆元(約90兆円)投資すると発表していて
投資金額だけは莫大で正しく環境投資バブルの感がある。発表を行った環境保
護部では、経済成長に影響が出ても環境問題に国を挙げて取り組む姿勢を示し
ているが環境対策に名を借りた経済発展政策であるかのようだ。
そして、実際に有効な政策がどれほどとられるのかは、これも闇の中だ。



一方、汚水処理関連業界では大きな期待感が高まっている。しかし実際にこの
投資がどのように行われるのかは定かではなく、日本企業に商機があるかと言
えばこれも怪しい。中国にも、既に多くの水処理事業者が存在し大都市の汚水
処理プラントの運営には欧米系の水メジャーが進出している。
日本の環境プラント企業は、MBRやROと言った高度膜処理技術を売り込み
たいようだが膜技術も既に過当競争となっていて出る幕はない。
既に中国にて製造基盤を持つ膜メーカーが利益を上げるくらいだろう。



しかし、いくら高度処理技術があっても、有効に使わなければ意味がない。
排出企業は規制や罰則、罰金を恐れて、必要最低限を行うだけで、中には当局の
摘発を逃れるため、汚染水を地下に圧入処分している悪質企業もある。
また「盗排」と言われる処理方法が広がっている。「盗排」とは汚染水をこっそ
り捨てることだが、排出企業自ら汚染水を捨てるのではなく、処理業者に依頼し
その非合法企業がこっそり河川や湖に放流するという処理法?だ。自らの手を汚
さないため罪悪感がなく、安く簡単に処理できるため横行する。



1月に行った深セン市にある発電所ではMBR+UF+ROという膜技術を駆使
した最新水処理設備があったが、施設は稼働しておらず排水は、大型タンク車に
て外部処理委託してた。この大型タンク車がどこへ運び、どんな処理をしている
のかは定かではない。



内陸部の地方政府ではGDP増加させるため汚水処理場の建設は熱心に行うが
運転は経費であり、GDP増加にも自分の個人資産も豊かにならないため設備
は造ったものの、実際の処理運転を行わない例がよく見られるようだ。


そもそも、中国環境汚染の原因がどこにあるかと言えば国民性である自己中心
主義にある。自分さえ良ければ他人はどうでもよく、他を気遣う気持ちがない。
我先に豊かさを欲するあまりに、他人を気遣う余裕がないのだろう。
汚染水を排出すれば、下流の人が困るという観念が希薄。それは、上流の人も
同じで、自らにも汚染水が流れてくる。この環境汚染悪循環は、中国全土に広
がり、海を隔てた日本や周辺沿岸国にも影響を及ぼす。


この中国水質汚染対策は、いくら都市部において高度排水処理を行ったからとい
って改善できるものではない。内陸部に拡散した化学工場排水、鉱山排水、生活
排水など全ての汚染水を処理し、既に汚染された河川や湖沼、地下水までを浄化
し、さらに土壌汚染や大気汚染対策を行なわなければ水質汚染は解決しない。
これら全ての対策を、国も民も経済成長最優先と考えている中で実行できるかどう
か甚だ疑問だ。環境対策も、経済活動の一部として行い、儲からなければやらな
いという直接的利益のみ求めていてはとうてい解決できない。



結局のところ、問題解決の道は遠回りだが教育だと思う。愛国教育だけでなく、
環境教育や道徳観を根付かせ、一人一人が水を大切に、水を汚さない、水を
キレイに、といった考え方を持つことが大切だ。身内だけでなく、他を思いや
り、気遣う気持ちがなければ解決しない。
そろそろ「中国愛水運動」を本格的始めようかと思うが、中国の人々にその気
があるかどうか???。キレイごとかな〜〜!?
人々の心の中に、水を、自然を、大切にする気持ちがあることを信じたい!?

中国の皆さん、中国に関わる全ての皆さん
さあ、始めましょう「中国愛水運動」を!!

http://so-en.net/aisui-ch.pdf

うぉータン | 中国 | 15:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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