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ペルー水事情

ペルー

南米ペルーといって思い浮かぶのは、インカ帝国の遺跡、マチュピチュ、ナスカの
地上絵といったところだろうか。地図上でその存在は知っていても現実感は無く、
昨今のテレビ海外情報番組や世界遺産紹介による知識程度でしか無かった。
そんな馴染みの薄い地球の裏側「ペルー共和国」に行ってきたので紹介をしよう。
ペルーへ行ったといっても、もちろん観光では無いので観光情報は伝えられない。
言わずと知れた水商売にいったので、ペルー水事情についてだ。



なぜ、ペルーに行くことになったかと言えば1年ほど前に届いたメールから始まる。
ここのところ、中国から始まった海外活動がアジアから中東、アフリカ、ヨーロッ
パと西回りに拡散していく中で、英語での情報発信が増えたためだろうか、様々な
国からメールが届くようになり、その1通がペルーからだった。
差出し主は、年老いたリマ在住の土木技術者で、ペルーの水問題を解決できないか
というものだ。当初は技術的一般論をやり取りしていたが、徐々に具体的案件となり
その応対にて、売り言葉に買い言葉ついにペルーに行くことになってしまった。




いざ行くとなれば、ペルーは遠い。どうやって行くんだ?と、調べれば日本からの
直行便は無く、米国経由が良いようだ。地球儀をよく見れば南半球で日本は秋〜冬
だがペルーは春〜夏だ、時差は14時間あり、公用語はスペイン語らしい。
水商売に行くといっても、利益の出る話では無いので、お気軽な一人旅で行くこと
に決め、とりあえずは航空券とホテルの手配。本当に便利になったもので、ネット
上で簡単に手配できてしまうのが、良いようで悪い。
デルタ航空を利用するため、アトランタ経由でリマ市のホルゲチャベス空港まで、
往路は、成田を15:30に発ち、当日22:05には着くという時差マジックだ。
最近、中国への渡航回数が増えたので、アジア圏への一人旅は、苦にもならなく
なったが英語、スペイン語圏への旅は、いくらかの不安はあったが、しかたがない
あたって砕けろだ!



何とかなるもので、航空機の遅れはあったものの、リマに深夜に到着できた。
空港までは出迎えがあり、とりあえずはホテルへ、チェックイン後、夜遊びをする
ことなく寝ることに。
何の予備知識も無く、旅発つ前に書店で買った「地球の歩き方」が唯一の情報源だ
がどうもそれを読んでる時間も無い。
リマLimaは、ペルー共和国の首都であり、政治、経済、文化の中心地で人口800
万人の南米有数の大都市である。リマの名前の由来は、アンデスから市内を流れる
リマック川(Rio Rimac)が訛ったものと言われている。この大都市にどんな水問
題があるのかの予備知識もほとんど無く訪れたのだからいい気なものだ。


Rio Rimac

そして、ペルーの水問題はどこにあるかと言えば、先ず、その多様な地勢にあると
言っていいだろう。国土は、日本の約3.4倍、エクアドル、コロンビア、ブラジル
ボリビア、チリと国境を接していて、ほぼ赤道地域から南緯18度に渡っている。
ほとんど雨の降らない乾燥した砂漠から、標高6000m級の連なるアンデス高地
ジャングルに覆われたアマゾン源流、流域の密林地帯まで変化に富んだ風土と気候
がこの一つの国に存在している。
訪れる前は、ペルーは太平洋沿岸にへばり付いた国というイメージしか無かったが
よく見れば国土の60%がアマゾンの熱帯雨林地域だ。そして、あの流域面積世界
一を誇るアマゾン川は、ペルーを源流としてブラジルを流れ大西洋に注いでいる。



しかし、アマゾンの源流の国だから、水が豊富と考えるのは早計で、それはアンデス
の東側の話だ。首都リマを始め、大多数の人々が住んでいるのは、アンデスの西側の
砂漠地帯だ。この太平洋に面した幅30〜50km、長さ3000kmの海岸砂漠地帯
はコスタと呼ばれ、チャラと呼ばれる気候区分に入り、年間の平均気温は20℃前後
年間を通じてほとんど雨が降らない。
では、水はどうしているかと言えば、東のアンデス山脈からの川が流れだし、アン
デスからの湧水がオアシスとなり都市を形成している。太平洋岸沿いを走るパン
アメリカンハイウェイを通るとよく判るが、砂漠地帯が続くかと思うと突如緑地農地
が現れる、これが湧水オアシスで、そこに人々が住み始め集落、町ができた。



問題は、アンデスからの河川は、標高6000m級の山脈から、僅か100kmの
距離にて太平洋に注ぐことにある。どういうことかと言えばものすごい急流と言う
ことだ。日本の利根川が、関東平野を約100km流れるが、関東平野出発点の
前橋の標高は約100mだから、その勾配の凄さが分かる。そして、アンデスの
季節による雨量変化に大きな影響を受ける。11月〜4月の夏季は、雨が多くて
水量が豊富だが、6〜9月の冬期は水量が少ない。そして、水管理は行われてい
ないため、貯水ダムは無く、雨季に水を貯留しておけないため使用できる水量は、
限られている。



夏季に、水が豊富といってもアンデスに大量に降る雨は大地を洗い流し濁流となる。
さらに、ペルー経済を支える鉱山が山間部に多くあるため、有害重金属を含む鉱山
排水や土砂などが一気に流れ出し、河川はブラックウォーターと言われるほど汚染
される。リマ市を流れるリマック川は、濁水の川へと変貌し800万人のリマ市民
は、この濁水からの水を飲むのだ。


水道水を取水された下流のRio Rimac(水が無い)

もう一つの水問題は、経済発展によるもので、途上国における経済発展は、環境
破壊を招くことは、どこの国においても同様だが、ペルー特有の問題もある。
先ずは、ペルー経済を支える鉱物資源の鉱山排水は、ほとんど未処理のまま流さ
れている。日本など先進国が鉱物資源を得るために、ペルーの水は汚染されてい
るわけだ。ボリビア国境にある、世界一高地にある琵琶湖の12倍もある淡水湖
「チチカカ湖」は、世界3位の生産量の銅鉱山からの排水で汚染されている。
そして、都市部の人口増による屎尿排水、生活排水、工場排水の多くが、未処理
のまま太平洋に流れ出している。リマ市などの大都市では、一応の下水処理場は
あるが、その多くがラグーン方式と呼ばれているもので、大きなため池に下水を滞
留させ、自然の浄化能力により処理するとされているが、どれも大きな処理効果は
望めない。そして、多くの地方都市では、未処理のまま放流され、それが太平洋
に注いでいる。



ペルーを始めとした南米諸国の水事情は、ペルーと同様で悲惨のようだ。
多くの世界遺産があり、インカ帝国という神秘性から観光地として注目されている
ペルーだが、多くの人々は貧困状態にあり、飲料水浄水、排水処理と行ったインフ
ラは未整備だ。多くの資源があると言っても、それを一気に整えるほどの経済力は
無いのが現実だ。日本もODAなどによる経済協力はしているが、それも不十分で
現地に本当に求められているものとはなっていない。



その解決策を、藁をも掴む思いで技術支援を求めてきたペルーの老土木技術者
の思いと、安全で衛生的な水を得られない多くの人々を無視はできない。
現在、リマ市や周辺のいくつかの都市から、浄水及び排水処理施設の技術援助
の依頼があり、多くの情報が寄せられている。
自分に何がどこまでできるか分からないが、できる限りのことはやってみよう!
次回はペルー各地の水事情その他を紹介します!こうご期待??

是非、皆さんも協力をお願いします!!

Limaの水《上水》:http://blog.npo-jwg.com/?day=20131109
Limaの水《下水》:http://blog.npo-jwg.com/?day=20131112
 
うぉータン | ペルー水事情 | 16:48 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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