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北京の水

北京水をキレイに


立秋を過ぎたというのに40℃超の暑い日が続く。
暦の上では夏が終わったのに、暑さのピークが来るというのも如何なものか
とも思うが、暦に文句を言ってもしかたない。たかだかここ数十年の気候変
動による季節のずれで、悠久の立秋にケチを付けてはいけないのだ。
いかに科学技術が進歩しようとも、気候など自然は思い通りにならないもの。
思い通りにならないから、自然は偉大で尊く、それに対処するため人は古来
より、知恵を使い生活をしてきた。



立秋は、日本古来の季節感二十四節気の一つで、二十四節気は一年を24等
分してその分割点を含む日に季節を表す名称を付け季節の指標として使われ
ている。太陽暦と太陰暦の季節のずれを調整し、太陽の動きと月の動き、夏
至・冬至の二至、春分・秋分の二分、立春・立夏・立秋・立冬の四立を合わ
せた八節から、春夏秋冬の四季まで、二十四節気をさらに約5日づつに分け
た七十二侯の分類と、季節の暦は奥が深く、よく考えだしたものだ。先人達
が、季節を深く感じ、自然と共存し生き、暦を定めた明晰さを尊びたい。
元々、二十四節気は中国にて考案された季節の区分方法で、それが日本に伝
わったものだ。中国から学び、日本の気候とは合わない名称や時期もあった
ため、それを修正するため土用や八十八夜などの雑節を取り入れ、日本の旧
暦としている。


そんな暑い日が続く夏の日に、久しぶりに中国北京市を訪れた。
昨年夏の中国での反日運動の過激化から足が遠のいたが、やはり隣国であり
付き合い始めれば、何かと用事ができる。3月には、広州で展示会があった
ことから、各地での諸事もあり北京→広州→武漢→西安→北京と回ったが、
今回は北京のみの短期滞在だ。
そして、北京の夏は日本と同様に暑く、水は相変わらず汚染されている。
思い通りにならないのは天気だけでなく国際関係も然りで中国はその代表だ。



今回の主な目的は、中国水利学会との水生態文明建設推進をめざす包括的な
覚書(MOU)の締結。中国水利学会は、中国の水を司る水利部直属の学術
的な組織で、80年以上の歴史があり中国の利水、治水、飲料水、農業用水、
水力発電ダムなどの大学や研究期間が属する大きな権威と権限を有する組織
である。その、中国の公的最大の組織から水生態建設のための協力を要請さ
れれば受けない訳にはいかないし、受けない手はない。
中国で、水環境改善活動を行う限り必ず関係するのは水利部で、その学術的
な組織を味方にすれば目的達成がグッと近づく。2008年に中国での活動
を開始してから5年の歳月にて、やっと中国に正式に認められたとも言える。
中国水利学会:http://www.ches.org.cn/zgslxh/index.htm



中国の環境破壊は、劣悪でもはや取り返しのつかない状況へ近づいている。
この劣悪な状況を、中国が反日だから、尖閣問題があるからと言って放って
おく訳にはいかない。世界の水問題解決をめざす環境活動家の一人としては
相手が誰であろうと、何所であろうと無視はできない。環境問題に国境はな
く、水は世界を循環し、中国の水環境悪化は対岸の火事ではなく、日本にと
っても重要問題だ。
また、環境改善を生業としている者にとっては、大きな市場でありビジネス
チャンスとも言える。

そんな中国水利学会から合作の申し入れには正直驚いたが、やはりそこには
思惑があるようだ。先ずは、昨年行われた中国共産党第18回全国代表会議
において「美しい中国の建設に努力する」という壮大な目標を掲げ「生態文
明建設を最重要項目とする」と提議されたことだ。本大会は、新しい体制と
なる習近平総書記が誕生した重要な節目で、中国の方向性を示したと言える。
まあ、これだけ環境破壊が進行し、国内外から大きな批判を浴び、特に国内
に於いて各地で環境問題を原因として暴動が勃発している現状では、環境問
題を疎かにはできない。民衆の不満の矛先を日本に向けさせているだけでは
済まないため、美しい中国の建設、生態文明建設と唱ったのだろう。



そして、その協力を日本に求め、我が日本水生態協会に白羽の矢が立った。
なぜ、日本に協力を求めるかと言えば、中国で近年環境改善のために行われ
ていたことは、環境保護部による規制強化や排水処理設備の建設の対処療
法だけだ。根本的な水を大切にする、水を汚さないという基本的なことが行
われていない。反日教育や愛国教育は行われても、環境教育や道徳教育が行
われていないのだ。そもそも、水だけでなく、物や人を大切にするというこ
とが忘れられている。貧困から抜け出すため経済活動には無我夢中になるが
水を始めとした環境、もの、そして人の気持ちをたいせつにすると言うこと
を忘れてしまっている。
50年前の文化大革命から、30年前の市場経済導入と短期間に、一気に世
界第2位の経済大国に上り詰めたが、民主化は成されず、経済格差は拡大し
人々の心は荒み、水をたいせつにして、自然と共存する中国本来の営みを忘
れてしまった。



そこで重要となるのは、“水を大切に”、“水を汚さない”、“水をキレイに”、の
スローガンの基に開始された日本水生態協会の「中国愛水運動」だ。
この中国愛水運動を中国水学会とともに協力して行うことが合作の大きな柱だ。
そして、もう一つ重要なのが中国水利学会が主催する2013中国水博覧会に
水生態建設エリアを設置して国内外に水生態建設をアピールすることにある。
中国水博覧会は、中国水利部が関係する唯一の展示会であり、水利部関係の
ビジネス展開に繋がる。日本から出展企業を集めてほしいというのが本音でも
ある。
出展募集:http://www.npo-jwg.com/waterexpo.html



中国水利学会との合作覚書の締結が、8月6日付けの中国新聞社の電子版に
載り、新華社網にても配信された。中国でもやっと、国営新聞社の記事とな
ったわけだ。これが翌日、日本にても翻訳されネットニュースに掲載された。
「中国の水汚染問題、解決は日本の経験に学べ、両国の組織が協力協定」
と題されたが、批判的な日本人の反応が多く驚いている。
http://finance.chinanews.com/ny/2013/08-05/5125254.shtml

 現在、中国との関わりは深く、身近な食料品や衣料品、電化製品や自動車
まで様々な製品を中国に頼り、中国は日本製品の重要な輸出先でもある。
そして、中国環境破壊の原因の一端は日本にもあることを忘れてはいけない。
中国産の安価な食料を食べ、ユニクロの服を着るということは、中国に安さ
を求めるため環境対策費を削減させ、環境悪化を増長させている。
そして、その汚水で生産された食料や製品を日本人が輸入している。
さらに、賃金を安くするが故に民衆の生活が向上せず、失業者は反日デモを
繰り返す。中国に対し、批判や文句を言っているだけでは何も解決しない。



 中国人の本来は、自然を尊び、大切にしてきた。それは、多くの文人達が、
詩を詠み、書を嗜み、水墨画などの絵画に残していることから解る。
また、中国の古い庭園や街並みは、自然を巧みに取り入れている。
二十四節気を始めとした季節感や、自然との営みを大切にしてきた中国の人々
の中に、水を大切にする気持ちを取り戻すために、一踏ん張りしてみよう。



暑い日が続くが、天気も中国も思い通りにならないのだから、知恵を使わなけ
れば上手くいかないだろう。
北京の水が、キレイになり透明化すれば互いを認め合うことができるはずだ。
環境に国境はない、水環境改善から日中友好も成せるはずだ!!?

皆さんご協力を!! 

うぉータン | 中国 | 13:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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