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どう守る街の灯


どう守る街の

週末の日中、久しぶりに生まれ故郷であり住居地の前橋の市街地を歩いてみた。
とかく言われていることだが、まさにシャッター街とはこの事を言うのだろう。
いったい人はどこへ行ったのだ?



市街地中心部より歩ける距離に自宅があり、子供の頃には親に連れられ買い物
や季節折々の催事に出かけ、地方都市なりの賑わいを感じワクワクしたものだ。
少年〜青年期になれば何かを求めて街を流し、人混みを楽しんだ思い出がある。
それがどうだ、今ではかつての賑わいがない、それどころか、人がいない。
昔ながらの店はシャッターが閉まり、解体され更地となっている所もある。
そして、陽が落ちれば風俗店のネオンが光り、客引きだけが路上を賑わす。
これが、今なのだと思えばそれまでだが、かつての活気のある街の灯を知るも
のにとっては、風俗のネオンとLEDの冷たい光だけの街は寂しい。



この地方衰退の原因は、多くで語られているように経済不況や少子化にあるの
だろうが、それだけでは済まされない気がする。
リーマンショックに起因する国際的経済不況は、不可抗力ともいえ経済の好不
況は時の流れ、そしてバブル景気に浮かれたツケでもある。
少子化や高齢化は、従来から言われていたのだから予想できたはずだ。女性の
社会進出が進み、経済的豊かさを手に入れれば、子を産み育てるよりも仕事や
遊びを選び、結婚をしない、あるいは晩婚となり少子化となるのは自然の理だ。
昔から言われているように「貧乏人の子だくさん」の反対で、豊かになれば子
は少ないのだ。
これは、途上国は人口増で、先進国は少子化と言うことに現れている。
それに合わせて、草食系男子の増加で、生殖能力そのものが低下している。



しかし、これらは日本全体の社会的背景であり地方も都市も差はないはずだ。
なぜ、首都東京から100kmの距離にある都市が衰退するのだろう?。
東京は、首都として国際都市として益々発展している。この100kmという距離
は近くて遠く、かつては首都圏への物資供給源としてほどよい距離だった。
自動車や電気製品の生産工場が多く立地され、高度成長時代を支えた。
関連の下請け工場などを含め多くの製造業が栄え、たくさんの雇用があった。
それら工場の多くが、海外移転や閉鎖となり、工場跡地はショッピングセンター
や娯楽施設、駐車場に生まれ変わった。それは同時に、安定的雇用の場がなく
なり流通やサービス業などの非正規雇用が増えた。
安定した雇用の場がなくなれば、若者の居場所がない。



この社会現象に追い打ちを掛けるのが、社会の流れを読めず続いた行政による
都市計画だ。従来ながらの手法による都市計画により、市街地から遠く離れた
郊外に住宅団地を造り、大学や高校まで郊外に移転させた。
人口の移動と郊外にショッピングセンターができたことにより、人は市街地に
集まる必要がなくなった。
公共交通機関の発達していない地方の、移動手段は自家用車中心であり、広い
無料駐車場があり品揃えも豊富で価格も安いショッピングセンターが断然便利だ。
文化の伝導であった映画館は閉鎖され、郊外のシネコンとなり、書店もなくなり、
パチンコ店もゲーセンも郊外へ移転した。
沿線沿いにはコンビニができネット通販の充実により家に居ながら買物ができる。
街へ出かけ、デパートや商店で買い物をする必要がない。そして、街から若者が
いなくなり、居住し続けるのは、行き場のない高齢者が圧倒的だ。



さらに、教育熱の高まりから、子供達は首都圏の大学へ進学する。しかし、優秀
ならば優秀なほど、地方にはそれに値する働き場がなく就職も都会でして、出身
地には若者が戻れない。若者の人数が減るだけでなく、その質も低下する。
若い世代がいなくなってから、それでは困ると行政や都市計画家などの学識者達
が騒ぎ出しているが、とき既に遅い。働く場もなく、魅力的な街がなく、行って
も人がいないのだから、人は街には集まらない。



これは、首都圏に頼り、産業も大手製造業やその下請けに甘んじて一定の豊か
さを得たことにより、独自の産業や文化がないことに原因がある気がする。
特に、保守的で公務員の割合が多い街は、その活力が感じられない。
頼りの連鎖は、住民も何かと行政を頼り、住民自らが自らの力と金で町おこし
をしようという気概がない。



しかし、この状態を嘆いていてもしかたがない。何事もそうだが衰退ではなく
進化の過程と捉えるべきだろう。少子化と高齢化は避けては通れず、今後の
経済の高度成長は望めない。将来あるのは、人口減と高負担社会だ。
そして、我々はこの過程を生きていかなければならない。
何を選ぶかは、我々市民の一人一人の責任ある選択で、政治や行政だけに頼って
いる場合ではない。



世界のグローバル化が進み、産業構造も変わらざるをえないし、世界の消費・
製造の中心は、アジアやアフリカなどに移るだろうから、何時までも、中国など
と経済発展を競っていても仕方がない。
日本独自、そして地方都市独自の行き方、生き方、豊かさを見つけていくことだ。
「大きいことは良いことだ!」と言った時代は終わりにして成長し続けなければ
いけないという思い込みを捨てることだろう。



経済そのものが破綻しては困るが、小さな政府と行政による、小さな社会を造っ
ていくことだろう。エネルギーだってスマートグリッドが流行っている。
豊かさとは何かを問い直し、ものを大切にして、エネルギーも食料もできる限り
使わない社会とすることだろう。
そうすれば、街の灯も、暖かな光りを灯し続けられるだろう。
そのための第一歩、小さな赤提灯を消さないよう、協力に出発だ!

うぉータン | ちょっと言わせて | 16:48 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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