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OLYMPICの終わりに

LONDON

OLYMPIC   の終わりに

2012ロンドン五輪が終わった。日本のメダル獲得数は、過去最多38個と
関係者を安堵させたことだろう。何より最後にボクシング男子ミドル級の村田
選手、レスリング男子フリースタイル66キロ級の米満選手の、男子による金メ
ダル2個は、日本男児の面目躍如である。
メダリスト達の銀座でのパレードも決まり、きっと大いに盛り上り日本に元気
を与えてくれるに違いない。

◇内蒙古包頭の空から1

(内蒙古の乾いた大地)

閉会式は、競技場に設けられた英国旗ユニオンジャックのステージ上で、英国の
誇らしい歴史イベントから英国ミュージシャン達の共演に大いにに盛り上がった。
再結成したスパイス・ガールズのビクトリア・ベッカムはまだまだイケてる。
クィーンのブライアン・メイとロジャー・テイラー、女性ボーカルジャーシー・Jの
We Will Rock You」は、会場を大きく揺さぶり、ビートルズの名曲「イマジン
では、荘厳な雰囲気に包まれた。大トリには大御所のロックバンド、ザ・フーの登
場と、英国の音楽文化の迫力を感じる。このメンバーが再び一堂に会することは
まず無いだろうし、だから五輪なのだろう。
思えば、英国は戯曲家シェークスピアを始め文化、芸術面においても世界に大きな
影響を与えていることがわかる。

◇内蒙古包頭の空から2

(乾燥した大地に耕作地)

それでは、英国にとってロンドン五輪の意義や、その価値は何だったのだろう?
メダルの数で言えば、金29個と、米国、中国に次ぐ堂々の第3位で大国ロシア
を上回り、メダル総数でも65個とロシアに次ぐ第4位となり大成功といえる。
金7個、総数38個で大喜びしている日本は遙かに及ばない。
しかし、オリンピック開催の意義はメダルの数だけではない。前大会の2008
年北京や1964年の東京がそうだったように、五輪は開催国に自国の経済発展
の自信増大と国際的自己PRの機会をもたらす。国際的知名度は高まり、さらな
る経済力増大と新たに得た自信を背景に、国際舞台での飛躍を期待できる。
五輪開催に向け、公費による建設活動は交通網や都市再開発などインフラが整備
され、GDPを押し上げるとともに、近代都市国家建設を果せる。
次回2016年開催予定のブラジルリオ五輪は、南米で初めての開催でありブラ
ジルの経済発展を加速させるだろう。

しかし、英国は、中国やブラジルとは違う。

◇内蒙古包頭の空から3


ロンドンで五輪が開始されるのは1908年、1948年についでの3回目だ。
いずれも世界が困難を迎えた時期での開催で、前回1948年開催は第二次世
界大戦後の初めての五輪で、日本は敗戦国のため参加すら認められなかった。
この五輪開催により、英国は戦後の国際舞台での地位を高め、多くの植民地の
独立により没落するかと思われた世界の求心力を取り戻した。
英国は、大航海時代からの世界戦略により、既に自らを国際社会の中心と見な
している国家である。かつては、世界中に植民地を持ち、現在でも大英帝国の
領袖として君臨し、経済の源である金融や資源を掌握している。
何より、その公用語の「英語」は、今や世界共通語となっている。日本でも、
義務教育の小学校から教えはじめ進学や就職の大きな判定基準となっている。
若者達は、母国語である日本語の未熟さは気にもかけずTOEICやTOEFLの点数
を競っている。
英国は、世界に国を開き、世界より移民を受け入れ、国力を高めてきた。移民に
よるリスク、入国管理や治安、雇用などの不安も全て受け入れ力としている。
現在のロンドンは、その人口の1/3を海外からの移民が占め、世界中の民族、
言語、文化、あるいは料理までが存在している。そして、その中心が、英国人で
あり、英語であり、シェークスピアやビートルズなのだろう。

◇内蒙古包頭の空から4

(内蒙古の河川は真っ茶色:濁水)

ロンドン五輪は、英国の存在を世界中に知らしめ、新たな注目を引き出しこの意味
で大成功といえる。世界中で10億人を超える人々が、開会式や閉会式をテレビで
見守り、英国の多彩な文化を目にした。そして世界中の人々が、意識の如何に関
わらず英国に影響されていることを改めて悟り、英国人は大きな自信を取り戻した。
リーマンショック以降の世界的経済不況から、ギリシャを火種とする金融危機の最
中に、他のEU諸国とはひと味違う、元気な英国を世界に見せることが出来た。
閉会式にて、ユニオンジャックを模したステージ下に世界の選手団を配し、誇れる
英国の歴史や文化を見せることは、まさしく、英国国旗ユニオンジャックの傘下に
世界があることを見せつけているのではないかと思わせる。英国の在り方は世界の
「支配」にあり、世界との融合なのだ。



そこで思うのが、我が「日本」の世界での在り方だ。同じ島国で、歴史ある王室と
天皇が存在し、列強の大陸の近くに位置しながら、大国に犯されることなく国力を
高めた。しかし、国家の在り方は大きく異なる。英国が「支配」ならば、日本は
「勤勉」だろうか?。その違いは、まさしく象徴である国旗に現れている気がする。
英国国旗「ユニオンジャック」が、世界に対し広がりを感じさせるのとは対照的に、
日の国日本の「日の丸」は、赤い丸に凝縮する内向きを感じる。どちらが優るとも
思わないが、長い歴史に育まれた国柄、思想、文化に大きな違いを感じる。
日本は、恵まれた地象や豊穣な大地により、争うことなく独自文化を追求すること
が出来た、世界でも極めて希な、恵まれた民族だ。
日本人の勤勉さは、何事も突き詰め、最後は自己研鑽として修行の「道」とした。
宗教も、キリスト教が布教により他宗教を否定して勢力拡大を図るのとは対照的に、
日本の仏教は神道とも共存し、自らは密教として苦難苦行を行うことにより、悟り
の世界に入ることを求めた。そして、今やその古くからの宗教心も薄れたことから
救いを求める若者は新教宗教オームなどに走る。

しかし、英国は、豊穣な大地を持たないことから、自ずと外へ求めた。船を造り航
海術を高め、世界へ乗り出し、信じる宗教を広め、世界からあらゆる資源を集約し、
自国文化を世界へ発信させたのだ。あらゆる人種・文化と交流し、世界の支配者と
して君臨してきたのだ。日本と英国、同じ島国でありながら、全く異なる国家の在
り方となった。これも、どちらが良いとも一概には言えないが、もし日本が世界で
生きていこうとするなら、やはり学ぶべき所は多い気がする。

スポーツにおいても、日本武道は、競うのではなく「道」として、自己鍛錬、修行を
目的とし、「争わず勝つ」「己に勝つ」ことを美学としてきた。しかし、己に勝って
も五輪では勝てない。益々過激化する金メダル争いに、道を求めていては勝てない。
五輪のJUDOと柔道とは違う、DOは道ではなく動詞ヤルことだ。いかに相手より
勝るか、相手を負かすか、ポイントを稼ぐかを争っている。英語のスポーツとは、各
競技のルールに基づいた争いであり、オリンピックは、世界中の最も優れた選手が、
一堂に会して争う、戦いの場なのだ。

◇旭日旗 世界に出て行くにはこの旗かな?


2020年のオリンピック開催に、東京が再び立候補し招致活動を行っている。
その理念、意義は何なのだろう?。もはや、東京でのオリンピック開催の目的は
経済発展やインフラ整備ではないはずだ。既に豊かさを手に入れ、その豊かさに
慣れてしまい、活力を失った日本に、再び活気が取り戻せるのだろうか?。
世論調査では、大多数が積極的には五輪開催を望んではいない。五輪開催により
停滞感漂う日本に活気を取り戻し、日本人の目を世界に向けるには、世界を鼓舞
し、そして日本人の心を振り動かす理念とそれを表現する言葉が必要だ。

誰がそれを言うんだ!?

うぉータン | ちょっと言わせて | 11:40 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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