ペルーの休日

MIRAFLORES
海岸散歩


南米大陸の太平洋岸の中心となるのが、人口800万人を擁するペルーの首都リマ。
ここは、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロなどとならぶ、南米の国際的入口で毎日
米国や欧州から何十便もの飛行機がホルヘチャバス空港に到着する。
ペルーは、約3000年前から古代文明が栄え、15世紀にはコロンビアからチリ
にまたがるインカ大帝国を形成し栄華を極めたが、その大帝国はスペインにあっと
いう間に滅ぼされ、その後19世紀初頭までスペインが植民地とした。
そのため、ペルーにはインカ文明とスペインの混在した多様な文明文化が存在する。
いくら仕事で訪れたとは言え、仕事の合間にはそんなペルーを感じてみることに。


Mirafloresの海岸線に建つMariott Hotel

リマの中心は、世界遺産に登録される歴史的建造物が多い旧市街セントロCentro
地区のようだが、治安が悪く一人歩きはしない方が良いそうだ。
まあ、危険な所も魅力を感じるが、今回は君子危うきに近寄らずと新市街のミラ
フローレスMiraflores地区を散歩することに。



Miraflores地区は、旧市街より10kmほど離れた海岸沿いの高級住宅地の中にある
繁華街だ。海岸沿いには、公園が整備され、高級ホテルや高層マンションが建ち
並び、小洒落たショッピングスポットもある。



海岸沿いの地形は、正にペルーの地形を象徴している。海岸線には、道路一本が
通り沿道にレストランなどがあるが、その幅は50m程度で直ぐに高さ100m近い
絶壁がそそり立ち、そして、その高台に市街地がある。
リマなど、多くの人々が住むコスタと呼ばれる海岸地域が6000m級のアンデス
山脈から一気に下り、30〜50kmの幅にて3000km続くのと似ている。
異なるのは、Mirafloresの場合には、人々が高台に住んでいることだ。



しかし、この地形をMirafloresの人々は上手に利用している。
最近できたショッピングスポットラルコ・マルLarco Marはその崖をくり抜いて
造られている。ファッション、スポーツなどのショップや映画館のほか海岸側に
はレストラン、オープンカフェがあり太平洋が一望できる。
この場所にはホテルから数分だと言うこともあり毎日通うことになる。


断崖の先端にあるレストラン MANGOS

Larco Marから、崖の上に続く遊歩道を北へ歩き、海岸線へ降りる道路上に架
かる橋を渡ると、恋人達の公園がある。何が恋人かと言えば公園の真ん中に
恋人が抱き合ってキスしている巨大なモニュメントがあること。さすが、南米、
情熱的!抱き合うといっても寝そべっての激しい抱擁で、よく見れば決して若
くない男女に見える。
そして、周りを見れば、海を望む公園内には同じような恋人達でいっぱいだ。





崖の上の広場には、パラグライダーの滑空場があり、多くの人々が集まっている。
この絶壁には、太平洋からの海風が上昇風となり吹いているのだろう。
見あげれば、空にはパラグライダーが気持ちよさそうに、フライトとしている。





Mirafloresのペルー人達は、どうもスポーツ好きのようだ。歩道にはランニング
や自転車で疾走する老若男女が多くみられる。
灯台の広場では、太極拳のグループも、やはり遠く南米ペルーにも中国人が
進出し、中華圏を造ろうとしているようだ。
公園内には、所々トレーニング設備も設置され、テニスコートも数面ある。
このMirafloresを見る限り、ペルーは、豊かで貧困など全く感じられない。



太平洋を眺望すれば、海岸線には程良い波が立ち、多くのサーファーたちがいる
ので、海岸におりて見ることに。Mirafloresに寄せる波は波乗りにちょうど良く
多くのサーファーと、それを眺める観客とで賑わっている。




世界共通語「TSUNAMI」の注意看板

日が落ちても、Larco Marはライトアップされ、恋人たちや観光客、仕事帰りの
ペルーの人たちで賑わいを見せる。



遠くには、1985年に当時の大統領アランガルシアによって建てられた十字架も
ライトアップされ見える。



Mirafloresの海岸散歩をしていると仕事のことは忘れてしまい、海岸リゾート
に休暇に来たような錯覚にとらわれる。
ペルーでも経済格差が拡大して、このMiraflores地区は豊かさの現れなの
だろう。先ず、富めるものから富み、それを全体に拡散することが大切だ。
どこかの国のように、先に富んだものが富を独占していては、国は滅びる。
ペルーが、健全な経済発展することを願い、そして自分達も富むためには
何をするべきか考え、行動しよう!
さあ、次は街の中を散歩してみることに!!
 
うぉータン | ペルー水事情 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

ペルー水事情

Lima下水

人口集中により肥大化するペルーの首都リマLimaの、もう一つの大きな水問題は
下水処理だ。飲料水「上水」は、生命の維持に不可欠なため最優先の課題として
政府・自治体が供給整備を図り、暮らす人々も生きるために飲み水の確保を図る。
水を欲するのは、動物としての本能で、生物は水辺に集い生活をする。そして水
を飲めば、屎尿を体外排泄をする。生活が豊かになれば、料理や洗濯の生活排水、
産業が発展すれば工場排水が発生する。
この問題は、古今東西、世界共通の問題だ。しかし、人類が他生物と異なるのは
発生する排水を「下水」として処理できることだ。



リマ市は、都市名の由来からもリマック川を基として発展した都市であり飲料水は
国営企業であるSEDAPALによって供給されている。近年の経済発展により、豊かさ
を求める多くの人々が移り住み、郊外に簡易な住居を建設し、そんな住居群がスラ
ム街となりリマック川沿いに拡大している。これら住民に対して、SEDAPALは飲料
水を供給しているが、下水処理は簡単にはいかない。
スラム街からの多くの排水は、未処理のままリマック川に放流されているのが現状
で、川は水の供給源であるとともに、排出先としても便利だ。



それでも、リマ市はペルーの首都であり、SEDAPALは下水処理場の整備を図って
いる。その一つがCARAPONGO下水処理場で La Atarjea のリマック川上流20km
に設けられている。内陸部へ走るセントラル自動車道を行くと鉄路を跨いだリマ
ック川沿いにあり、門扉を入ると確かに下水処理場の独特の臭いがする。



不見識で申し訳ないが、ペルーにおいてどのような排水処理が行われているのか、
実はよく知らなかった。最新の高度処理設備が整備されているとも思わなかった
が、活性汚泥法程度の初歩的な処理は行われていると思っていた。しかし下水処
理場へ入っても、コンクリートで造られた水槽設備は見えず広い敷地の木々の向
こうに、大きなため池が見えるだけだ。



CARAPONGO下水処理場での処理方式はラグーン方式と呼ばれる。海外との交流
の中で、時折出てくるラグーンLagoonと言う言葉があるがLagoonの本来の意味
は地形を指す言葉で海辺などで、内湾等が閉ざされ湖沼化したものを言う。
そのため、Lagoonに排水するとは自然の湖沼に直接排水を放流すると思っていた。
しかし、下水処理場のラグーンは意図的に造成したため池であり排水処理施設だ。



下水排水を処理するラグーン方式は自然界に存在する様々な自浄作用を利用した
処理方式で利用する自浄作用によりいくつかの種類がある。そう言えば日本にお
いても畜産糞尿処理等において利用されている方式がこれだ。素堀りのため池に
屎尿排水を流入させ滞留時間を取り処理を行うもので、広い水面積により太陽光
線にて蒸発、光合成による吸収、微生物の働きにより有機物等を分解除去する。
しかし、あくまでも自然界の自浄作用によるものなので大きな水質浄化効果はな
く、多くが悪臭を発する。



CARAPONGOは、日本のコンサルによる設計で、ODAにより造られた嫌気性池と好
気性池を組み合わせたラグーン方式だ。現在は嫌気性池は利用されていなかったが、
曝気装置を設置した4つの曝気式ラグーンにて好気性処理を行っている。
CARAPONGOに流入した下水は、先ずスクリーン、ストレーナと呼ばれる夾雑物除
去装置にて、大きな浮遊物やゴミが取り除かれる。
ゴミが取り除かれた後、流路にて曝気式ラグーンへと流入する。曝気装置の設置さ
れたラグーンが4槽あるが一系統ではなく、2系統に分離されて各2つのラグーン
にて処理されている。






曝気式ラグーンでは、大出力の曝気装置が盛んに、空気を送り微生物に酸素を与え、
ラグーン内水の撹拌流動を図っている。曝気式ラグーンの有機物分解は、滞留時間、
汚泥濃度、温度、排水の性質等に支配されるが、その分解速度や効率は曝気方法、
曝気量、汚泥微生物の活性化度により左右される。効率が落ちると堆積汚泥などが
増加し、ラグーン内の有機物分解が上手く行われず悪臭を発生する。



曝気式ラグーンにて処理された排水は、沈殿ラグーンへと流下する。沈殿ラグーン
では一定の滞留時間を取ることにより排水中の汚泥、浮遊物を沈殿させ、上澄み水
が処理水となる。



沈殿ラグーンも2つあるが、一つは体積汚泥の排出のため使用はしていない。その
機能している沈殿ラグーンも堆積汚泥で埋め尽くされ、滞留時間も取れぬまま表面
水が通過していく状態となっている。
処理水の状態はどうかというと、それほどの悪臭は感じないが透明度は低く、日本
の排水処理ならば処理水とはとても言えない。



そして、最終工程で塩素滅菌をしている。下水中に含まれる多くの病原菌を消毒する
ためには必要不可欠だが、あまりにも塩素に頼りすぎるのも如何なものなのか??。
滅菌処理後、処理水はリマック川に放流されるが、この下流20kmにある La Atarjea
にて、取水され、飲料水となることを考えれば、これも致し方ない。



下水処理場敷地内には、こんなものもあった。
日本のODA により造られた太陽光発電設備だ。2012年の日付なのでまだ新しい。
最新の太陽光パネルを利用するのは節電や省エネ、エネルギー対策に良いことだ
が、果たしてこの場所に必要なのかは首をかしげる。太陽光パネルも電気のない
地域ならば意義があるが、リマには電気がある。
この資金を、同じ環境対策ならば、下水場機能向上への技術支援に使いたいもの。



根本的対策は、高機能な下水処理場を整備することが一番だが、リマック川沿い
に点在する下水処理場の多くはラグーン方式であり、このCARAPONGOは上等の
部類のようだ。
実はこの後、地方都市へ行きその現実を見ることになったがその話は次回に・・・。



本格的なラグーン方式の下水処理場を初めて見て、首都リマの下水処理がこれか、
と驚いたが、これが途上国の現実だ。経済発展が進むにつれ排水処理設備の整備も
進むと思うが、一朝一夕ではできない。日本においても、下水整備が本格的始まっ
たのはここ50年で、地方まで整備が行き届いたのはつい最近だ。
しかし、日本は古来からの環境意識と、インフラ整備を可能とした高度成長による
経済力があった。経済発展を鉱物資源に頼っているペルーにおいて、果たしてそれ
が可能なのかは大きな疑問だ。
少なくても、数年はこの状態が続くのだから、現状の改善が必要不可欠だ。
最も、その技術提案のために訪問したのだから、何とか方法を考えなければならない。

!?
 
うぉータン | ペルー水事情 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

ペルー水事情

Lima上水

人口800万人を抱えるペルーの首都リマLimaは、その住民を支える飲料水の
水源をアンデス高地から流れ出るリマック川 Rio Rimac に依存している。
そのリマック川の水を取水し、浄水して供給するのが国営企業のSEDAPALだ。
SEDAPALの浄水場は、リマック川河口より20kmほど上流に位置しLa Atarjea
と呼ばれる。敷地は広大で、リマック川に沿って走る国道22Aより進入しても、
浄水設備は確認できず大きな岩山が見えるだけだ。


SEDAPAL

リマック川からの取水は、リマック川に水門を設け堰止め、両岸の取水設備による。
取水量は年間を通じて平均約17m3/s、夏季(12月〜4月)の最大取水量23m3/s
冬期(6月〜9月)の最小取水量15m3/sとなっている。リマック川の流量は水文統
計によれば、夏季は平均して50m3/s程度で水量豊かだが、冬期には10m3/sを
下まわる。つまり、取水量に対して流量の方が少ない。取水場所は貯水ダムでは
ないので、流量以上の取水はできないから、流れる水全てを取水することになる。
視察を行った時期も冬であり、100%の取水を行っていた。



リマック川両岸にある水門取水設備から、取水された河川水はLa Atarjea敷地内
にある二つの貯水池にポンプアップされる。
1)NO.1 Reservoir 最大容量 500,000㎥   最大深さ 7.10m
2)NO.2 Reservoir 最大容量 1,200,000㎥ 最大深さ 8.10m



先ずは、貯水池を見ようと、貯水池のある高台に車で行ってみたが車窓から見る限り
貯水池の水の色は綺麗なものだ。それほど汚濁してはおらず、貯水池内にはアオコの
発生は確認できず、問題は無いように思えた。
しかし、なぜここへ来たかといえば、この河川水が大量の有機物質を含むため貯水池
の富栄養化による水質悪化防止対策、加えて大量のSS成分を含むためその濁水対策
を検討するためだ。


NO.2 Reservoir 


NO.1 Reservoir 

まあ、それも視察が進むうちにだんだんと解ってきた。リマック川からポンプアップ
された水の流入口付近で下車すると、何やらプールの臭い:塩素臭がする。
SEDAPALの担当者によれば、塩素を貯水池に大量に添加することにより消毒を行い
藻類発生を防いでいるそうだ。


塩素CLORO

リマック川よりポンプアップされた河川水は、先ず、Desarenadoresという12槽あ
る沈砂設備にて、砂泥分を沈殿除去して貯水池に流入する。沈砂設備は各槽長さ35m
×幅8.0mあり、深さ5.8mのすり鉢状だ。水はこの沈砂設備を通過した後塩素を添加し
貯水池に流入している。一帯に立ち込める塩素臭は気になるが、貯水池の水は綺麗だ。
日本の水道水も、殺菌のため残留塩素の規定はあるが、塩素生成物は発がん性物質で
あり、できる限り使わない方が良いのでは・・・。
これも、ところ変われば価値観も変わる。そして、塩素消毒もその使用量が大量のた
め予算削減の目的から、新たな対策を模作している。





それでは、沈砂設備の効力がどうだと見る限り、それほどの濁水ではない。しかし
説明をする担当者は、盛んに12月からのブラックウォーターが大変なのだと大声で
主張している。どうも、最も重要な対策はアオコによる富栄養化対策ではなく夏季
の濁水対策のようだ。



リマック川の汚染原因は、夏季のアンデスの大雨が大地を洗い流し多くの砂泥分SS
を流入させ濁流となることだ。加えて、ペルー経済を支える鉱山が山間部に多く存
在するため、鉱山から排出される排水とともに、有害重金属を多く含む残土類など
が流れ込むためだ。そして、リマック川沿いには、リマ市への人口集中により、多く
の人々が住みつきスラム化している。このスラム街にはもちろん下水施設や排水処理
設備はなく、全ての生活排水、工場排水が未処理にてリマック川に流入している。


リマック川水門

そして、このスラム街は、浄水場の取水口上流に多く存在している。さらには同じ
SEDAPALが運営するラグーン処理方式の下水処理場も取水口上流部にある。
つまり、取水口の上流には、不完全な下水処理場からの放流水、未処理の生活排水
工場排水が流入し、それらの汚染水を下流部にある浄水場にて取水して、飲料水と
しているわけだ。


取水設備

貯水池にて数日間滞留をするため、貯水池も一定の沈砂機能はあるが、その水底部に
堆積した土砂の清掃には毎年約1ヶ月間かかり、その間給水量も制限されている。
この貯水池からの水が、同じLa Atarjea敷地内にある浄水施設にて飲料水となって
いる。最新の浄水設備は、どんな水であろうと良質の飲料水に変えることはできるが
やはり原水が汚染されていれば、手間も時間もかかる。そして、同じ浄水設備ならば
原水が汚染水ならば、製造される飲料水の水質も低下する。そのためにはできる限り
汚染原因を元から断つことが有効だ。


水門上流


水門下流

しかし、山間部の鉱山排水対策やスラム街での排水対策は、これも莫大な費用と
時間を必要とする。したがって、SEDAPALとしては貯水池においてできる限り
水質浄化を行いたい意向だ。そこで依頼がきたわけだ。



経済発展途上のペルーの首都リマは、浄水設備や排水処理設備などの都市基盤整備を
急ピッチで進めてはいるが、とてもその対策は追いついていない。無秩序に肥大化す
る都市を制御し、上下水などインフラを整備することは国家の一大事業である。
しかし、経済発展を優先していては、劣悪な環境破壊を招くことは、多くの途上国の
例で明らかだ。ペルーは、どこかの経済大国のように取り返しのつかない事態になる
前にバランスある発展を行ってもらいたい。

そのために、何ができるか考えよう!!

次回は下水処理場へ行ってみることに・・・

 
うぉータン | ペルー水事情 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

ペルー水事情

ペルー

南米ペルーといって思い浮かぶのは、インカ帝国の遺跡、マチュピチュ、ナスカの
地上絵といったところだろうか。地図上でその存在は知っていても現実感は無く、
昨今のテレビ海外情報番組や世界遺産紹介による知識程度でしか無かった。
そんな馴染みの薄い地球の裏側「ペルー共和国」に行ってきたので紹介をしよう。
ペルーへ行ったといっても、もちろん観光では無いので観光情報は伝えられない。
言わずと知れた水商売にいったので、ペルー水事情についてだ。



なぜ、ペルーに行くことになったかと言えば1年ほど前に届いたメールから始まる。
ここのところ、中国から始まった海外活動がアジアから中東、アフリカ、ヨーロッ
パと西回りに拡散していく中で、英語での情報発信が増えたためだろうか、様々な
国からメールが届くようになり、その1通がペルーからだった。
差出し主は、年老いたリマ在住の土木技術者で、ペルーの水問題を解決できないか
というものだ。当初は技術的一般論をやり取りしていたが、徐々に具体的案件となり
その応対にて、売り言葉に買い言葉ついにペルーに行くことになってしまった。




いざ行くとなれば、ペルーは遠い。どうやって行くんだ?と、調べれば日本からの
直行便は無く、米国経由が良いようだ。地球儀をよく見れば南半球で日本は秋〜冬
だがペルーは春〜夏だ、時差は14時間あり、公用語はスペイン語らしい。
水商売に行くといっても、利益の出る話では無いので、お気軽な一人旅で行くこと
に決め、とりあえずは航空券とホテルの手配。本当に便利になったもので、ネット
上で簡単に手配できてしまうのが、良いようで悪い。
デルタ航空を利用するため、アトランタ経由でリマ市のホルゲチャベス空港まで、
往路は、成田を15:30に発ち、当日22:05には着くという時差マジックだ。
最近、中国への渡航回数が増えたので、アジア圏への一人旅は、苦にもならなく
なったが英語、スペイン語圏への旅は、いくらかの不安はあったが、しかたがない
あたって砕けろだ!



何とかなるもので、航空機の遅れはあったものの、リマに深夜に到着できた。
空港までは出迎えがあり、とりあえずはホテルへ、チェックイン後、夜遊びをする
ことなく寝ることに。
何の予備知識も無く、旅発つ前に書店で買った「地球の歩き方」が唯一の情報源だ
がどうもそれを読んでる時間も無い。
リマLimaは、ペルー共和国の首都であり、政治、経済、文化の中心地で人口800
万人の南米有数の大都市である。リマの名前の由来は、アンデスから市内を流れる
リマック川(Rio Rimac)が訛ったものと言われている。この大都市にどんな水問
題があるのかの予備知識もほとんど無く訪れたのだからいい気なものだ。


Rio Rimac

そして、ペルーの水問題はどこにあるかと言えば、先ず、その多様な地勢にあると
言っていいだろう。国土は、日本の約3.4倍、エクアドル、コロンビア、ブラジル
ボリビア、チリと国境を接していて、ほぼ赤道地域から南緯18度に渡っている。
ほとんど雨の降らない乾燥した砂漠から、標高6000m級の連なるアンデス高地
ジャングルに覆われたアマゾン源流、流域の密林地帯まで変化に富んだ風土と気候
がこの一つの国に存在している。
訪れる前は、ペルーは太平洋沿岸にへばり付いた国というイメージしか無かったが
よく見れば国土の60%がアマゾンの熱帯雨林地域だ。そして、あの流域面積世界
一を誇るアマゾン川は、ペルーを源流としてブラジルを流れ大西洋に注いでいる。



しかし、アマゾンの源流の国だから、水が豊富と考えるのは早計で、それはアンデス
の東側の話だ。首都リマを始め、大多数の人々が住んでいるのは、アンデスの西側の
砂漠地帯だ。この太平洋に面した幅30〜50km、長さ3000kmの海岸砂漠地帯
はコスタと呼ばれ、チャラと呼ばれる気候区分に入り、年間の平均気温は20℃前後
年間を通じてほとんど雨が降らない。
では、水はどうしているかと言えば、東のアンデス山脈からの川が流れだし、アン
デスからの湧水がオアシスとなり都市を形成している。太平洋岸沿いを走るパン
アメリカンハイウェイを通るとよく判るが、砂漠地帯が続くかと思うと突如緑地農地
が現れる、これが湧水オアシスで、そこに人々が住み始め集落、町ができた。



問題は、アンデスからの河川は、標高6000m級の山脈から、僅か100kmの
距離にて太平洋に注ぐことにある。どういうことかと言えばものすごい急流と言う
ことだ。日本の利根川が、関東平野を約100km流れるが、関東平野出発点の
前橋の標高は約100mだから、その勾配の凄さが分かる。そして、アンデスの
季節による雨量変化に大きな影響を受ける。11月〜4月の夏季は、雨が多くて
水量が豊富だが、6〜9月の冬期は水量が少ない。そして、水管理は行われてい
ないため、貯水ダムは無く、雨季に水を貯留しておけないため使用できる水量は、
限られている。



夏季に、水が豊富といってもアンデスに大量に降る雨は大地を洗い流し濁流となる。
さらに、ペルー経済を支える鉱山が山間部に多くあるため、有害重金属を含む鉱山
排水や土砂などが一気に流れ出し、河川はブラックウォーターと言われるほど汚染
される。リマ市を流れるリマック川は、濁水の川へと変貌し800万人のリマ市民
は、この濁水からの水を飲むのだ。


水道水を取水された下流のRio Rimac(水が無い)

もう一つの水問題は、経済発展によるもので、途上国における経済発展は、環境
破壊を招くことは、どこの国においても同様だが、ペルー特有の問題もある。
先ずは、ペルー経済を支える鉱物資源の鉱山排水は、ほとんど未処理のまま流さ
れている。日本など先進国が鉱物資源を得るために、ペルーの水は汚染されてい
るわけだ。ボリビア国境にある、世界一高地にある琵琶湖の12倍もある淡水湖
「チチカカ湖」は、世界3位の生産量の銅鉱山からの排水で汚染されている。
そして、都市部の人口増による屎尿排水、生活排水、工場排水の多くが、未処理
のまま太平洋に流れ出している。リマ市などの大都市では、一応の下水処理場は
あるが、その多くがラグーン方式と呼ばれているもので、大きなため池に下水を滞
留させ、自然の浄化能力により処理するとされているが、どれも大きな処理効果は
望めない。そして、多くの地方都市では、未処理のまま放流され、それが太平洋
に注いでいる。



ペルーを始めとした南米諸国の水事情は、ペルーと同様で悲惨のようだ。
多くの世界遺産があり、インカ帝国という神秘性から観光地として注目されている
ペルーだが、多くの人々は貧困状態にあり、飲料水浄水、排水処理と行ったインフ
ラは未整備だ。多くの資源があると言っても、それを一気に整えるほどの経済力は
無いのが現実だ。日本もODAなどによる経済協力はしているが、それも不十分で
現地に本当に求められているものとはなっていない。



その解決策を、藁をも掴む思いで技術支援を求めてきたペルーの老土木技術者
の思いと、安全で衛生的な水を得られない多くの人々を無視はできない。
現在、リマ市や周辺のいくつかの都市から、浄水及び排水処理施設の技術援助
の依頼があり、多くの情報が寄せられている。
自分に何がどこまでできるか分からないが、できる限りのことはやってみよう!
次回はペルー各地の水事情その他を紹介します!こうご期待??

是非、皆さんも協力をお願いします!!

Limaの水《上水》:http://blog.npo-jwg.com/?day=20131109
Limaの水《下水》:http://blog.npo-jwg.com/?day=20131112
 
うぉータン | ペルー水事情 | 16:48 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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